まだ子育てしています

 このような投稿の機会をいただき、ありがとうございます。おかげさまで小児科医になり34年、開業して26年経ちました。夫は単身赴任、子どもたちはみな家を離れ、今は気楽な一人暮らしです。6年前、ふと何かを育ててみようかなという気持ちになり、二頭のボーダーコリーをお迎えしました。ヒト並みの頭脳を持つこの体力オバケたちとの生活はなかなかにハードで、この6年、どうしたら良い関係性を築けるかに腐心してきました。
 犬にも特性があって、わが家の一頭(以下れおん)はおそらく非定型発達です。元々は羊を追うのを生業としていた犬種ですので、理解力や労働意欲、運動能力にかけては素晴らしいものがあります。一方で、ステイ(静止)が大の苦手で、他の犬たちとコミュニケーションをとらず(とれず)、異様にボールに執着し、雷やバイクなど突然の大音響に震撼します。既にお分かりと思いますが、ADHD+ ASD(傾向)ではないかと思っています。もう一頭(以下ましゅう)や知り合いの同犬種と比べると俊敏さも際立っており、おそらく知的にはかなり高く、運動性Overexcitability(過度激動)もありそうです。とにかく、強い意思があり、マイルールで動くので一筋縄ではいかないのですが、これほどエネルギッシュで育て甲斐のある犬はいないと思いますので、私にとっては可愛くてたまらない唯一無二のパートナーです。ちなみに、同胎のましゅうはとても穏やかで、共感性が高く、れおんとの距離感も絶妙で、存在自体が癒しの「the家庭犬」に成長しました。
 発達特性は特性であって、正常か異常かではありません。そこをどう活かすか、どう伸ばすかで短所にも長所にもなりますから「どう育てるか」はとても重要です。もしかしたらうちの子天才かも!?と笑いに変えちゃいましょう。きっといい子になりますよ。楽しみながら子育てできるといいですね!…と、これまでくり返し話してきた「特性のある子を持つお母さんへのアドバイス」は、れおんを思うように操れず、何度も心が折れかけた私自身へのエールでもあります。
 彼らと始めたドッグダンスは「4分間人と犬が音楽に合わせて演技する」競技ですが、おもちゃやおやつは使えません。唯一のモチベーターは「この人と〇〇したい!」という犬の強い気持ちですから、集中を保てるかどうかは関係性がすべてです。昨年秋に行われた2026年FCI Dog Dancing World Championship日本代表選考会では僅差でましゅうを上回り、れおんが入賞しました。そういう訳で、来る6月、「the競技犬」とボローニャに行って参ります!

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