点眼の正しいやり方の指導
今回、私は日常診療において私が感じること、そして小さなことですが、行っていることについて述べたいと思います。
患者様とお話をしていて比較的高頻度で感じること、これは点眼のように患者様がご自身の手で行うような治療手技について、私が考えているよりも、意外と理解が得られていないことがあるんだということです。点眼がうまくできない方のために点眼補助具なるものが販売されてはいますが、複数の点眼を使用中の方にとっては点眼の形状によって使えなかったりなど患者様にとって実用性があまりないケースも多いのが現状です。
患者様においてよくある事例が
①点眼を使用する際に無理な姿勢で行っており、目にちゃんと入るまでに何滴も無駄にしてしまっている。
②点眼時に点眼の先端が眼球あるいは眼瞼結膜などに接触し、不潔になってしまっている。
③1回あたりに滴下する点眼の量が過剰であり異常なスピードで点眼を消耗してしまう。
点眼を過剰に欲しがる患者様に関してお話を伺っていると、すぐになくなってしまう、一度にいっぱいでてしまうなどの申し出が多いため、そのような方の訴えを聞いた際には、まずは患者様自身に普段している状態での点眼を診察時に再現をしていただいています。無理な姿勢で点眼をしていることが非常に多く、中には首を後屈する姿勢がつらくてそれができないために点眼が全く目に入っていない、やりづらくて点眼の先端が眼球に接触してしまうような例も見受けられます。こういった方については、まずそもそも点眼をする際の姿勢の指導などを行っています。ご自宅での点眼に関しては座位で点眼をするのをやめていったん仰臥位になってから点眼をしていただくような指導を実践を交えて指導することを実施しています。薬局で点眼の効能や使用回数の説明はされていたとしても点眼の方法までは練習できませんので、そのような指導によって患者様ご自身がうまく点眼ができるように努めています。
また、実際に点眼を目に入れる瞬間の仕方については補助具などを用いるのではなく、両手を使用できる方であれば、利き手で点眼を持ち、もう片方の手でこぶしを作って点眼したい方の目の下に拳をあて、手が震えたりぶれたりしないようにする指導です。この点眼の方法は「げんこつ法」といって有名な方法でありますが、意外と患者様に実際に実践していただくとうまくできていないことが多いです。我々にとって簡単でも実際にそれを行う患者様にとっては困難だったり、コツがつかめないこともあるようですのでその点をわかりやすく指導するよう努めております。
これらを実践することにより、命中しなくてむやみやたらな量を使用してしまうことを防止でき、1回あたりの使用量も適正にしていけると感じています。 日本における、医療費の占める割合に関する問題点に関して、我々医師の担う役割はもとより、患者様が処方された薬剤をいかに正しく使用し、無駄をなくしていくのか、これをできるだけお手伝いしていくのも大切な役割だと感じています。草の根の運動ではありますが、当院のような診療所が担う役割として、より患者様目線に立った指導などを心掛けていきたいと思っております。
