毎日の出会いに感謝しつつ
前橋市本町で、いまいずみ小児科を主人である院長が真面目に開業しており、片隅で診察室の面積だけは大きく利用して、お子さんたちの発達や悩み相談を受けている、今泉千津子と申します。
このリレーコラムに声をかけていただいたのは大変、光栄でありますが、先生方のように、この道をと、積み重ねた道がなく、医師になり40年、現在でもあっち、こっちと方針の定まらない毎日が続いています。
東京女子医大の小児科に入局し2年後に結婚を機に、児童精神科の佐々木正美先生が中心に診療なさっていた神奈川小児療育センターと都立梅ヶ丘病院に小児科の医局長の配慮で研修生として送り出して頂きました。
神奈川小児療育センターに勤めるようになり、5年位経ってから2、3歳児になると視覚的に分かりやすい環境と小集団、個別での関わりが言語性、社会性の伸びに繋がることがなんとなく周知されてきました。
神奈川小児療育センターでは、その頃から勉強はできても学校に行きにくいお子さん達、学習障害や情緒障害の方が多くなり、佐々木先生の外来は本当に忙しそうでした。その頃小児科の主任教授が定年退職され、縁あって私達は前橋に小児科を開業いたしました。
開業した平成5年、感染症が全く流行らず、暇な時間を使い、近くで学校に行きにくいお子さん達、家で両親の言葉が伝わりにくいお子さん達の相談を受ける中、佐々木正美先生が当院で、親御さんの関わり方の勉強会をしてくださいました。院長が群大教育学部の院生の方の授業を担当していた縁で学校の先生が数人来てくださり、神奈川小児療育センターから心理の先生も来てくださり小さな発達相談外来をスタートさせました。高機能の発達障害の方への話題が多くなったのもこの時期です。あれから30年以上が経ちました。自分が会わせていただいた一人一人の患者さんにどれだけの事ができたかは不明です。
佐々木正美先生は子育ては、国の経済が豊かでも、平和でも、親御さんの考え方が変わり、自己愛的な考えが強くなることを心配しておられました。確かに思い通りに育たないお子さんに不安を感じる若いご両親は多いのかもしれません。
しかし、私は最近、兄である釜萢敏の選挙に、医師会の先生方が、またご家族の方達が、ご自分達の損得は考えずに、時間も人も思いもかけてくださり、団結を働きかけてくださった事が、他者を思いやり守っていこうとする大切な日本人の力なのかと改めて思わされました。
先生方に繋がっている患者さん達の命と生活、共に働く方達の生活、日本の医療体制、お若い医療従事者の方達の志、などの将来を考えて知恵を出し合い、いろいろな考え方の人達にも多様性の大切さをわかって頂くことが大事と教えて頂きました。
毎日の診療の中で出会う方達に対して、自分にできることはしっかりと果たし、一日一日を感謝して送りたいと思っています。
