日常を支える大切にしている言葉
この度、群馬大学の大石裕子先生よりバトンをいただき、コラム ミネルヴァへの執筆機会をいただきました。誠にありがとうございます。
私は、2017年6月、夫の転勤とともに岐阜から群馬に転居し、ご縁があって現在の東邦病院で内科医師として勤めております。群馬に転居して今年で8年目を迎えますが、老いた母の介護とこれまで岐阜で勤めておりました病院での外来診療のため週末は岐阜と群馬を往復しております。友人は「もう若くはないのだから、そんな生活は負担じゃない?」と心配してくれますが、それどころか、すでに生活の一部になっていて、ある種、週末の小旅行のような、大きな気分転換となり心地良い時間となっています。岐阜で診療をしていますと、患者さんからは「先生、お身体大丈夫ですか?群馬は暑くないですか?すごい雨だったと聞いています。心配していました。」と皆さん口々にそう話してくださるので、どちらが医者かわかりません。週末はたっぷり岐阜弁に浸かって群馬に帰るので、月曜日の外来でそのままの調子で話してしまい、群馬の患者さんは「意味不明」という表情で首をかしげます。岐阜弁で「ほんなら、だいぶ、えらいんやね?あかんね。」というのは「それなら、ずいぶんしんどいのですね。つらいですね。」となるといった次第です。また、群馬から岐阜への往復は、もっぱらラジオを聴く時間にしており、ラジオから流れる音楽や、言葉に癒されています。
ラジオを聴きながら気になる言葉をメモしていますので、その一部を紹介します。ブロニー・ウェア著書の「死ぬ瞬間の5つの後悔」です。非常に衝撃的でした。「自分に正直な人生を生きればよかった」「働きすぎなければよかった」「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」「友人と連絡を取り続ければよかった」「幸せをあきらめなければよかった」です。私はそのうち「友人との連絡」にはっとして、東京や大阪へ出張の際には、必ず友人に連絡して会うようにしています。これまでの楽しい思い出に心を寄せ、思いをはせ、友人と語り合うことは、認知機能保持にも良い影響をもたらすのだそうです。
私は、家族からは「鳥より早起き」と呼ばれながらも、朝3時過ぎには起床し、ラジオ深夜便を聴きながら朝食やお弁当をこしらえています。すがすがしい早朝、誰にも邪魔されないこの時間は私にとって、至極の時です。ラジオから私の心に飛び込んできた言葉もご紹介いたします。今、私がとても大事にしている言葉です。
「「できる人ができる事をできるだけ」を心がけて生きたい。」
「自分の心の中に、春の海のような穏やかでいてキラキラした輝きを持ちたい。」
皆様もきっと大事にされている言葉があると思います。その言葉で勇気づけられることは多いですね。
そんな言葉が発せられる人間に成長できるよう精進していきたいです。