「地域」に根ざす医師を「地域」で育成する
医学科で学ぶ「地域医療枠学生」について、ご紹介させていただきます。
群馬県と群馬大学では、県内の医師不足や医師の地域偏在の解消に向けて、平成21年度から地域医療枠制度を導入しています。将来、群馬県の地域医療に貢献したいという強い意思を持って群馬大学医学部医学科に入学する地域医療枠学生は、令和6年度も18名の新入生を迎え、これまでに計259名が地域医療枠学生として群馬大学で学んでいます。
彼ら医学生は、県内の地域医療の現状を理解するため、低学年から地域の病院のご協力のもと開催される「地域医療体験セミナー」など複数の活動に参加します。地域医療の現場で医師や医療スタッフから学び、医師としての将来の自分を描きつつ、県内の地域医療についてより関心を深める機会となっています。
ご存じの通り、医学生が修得すべき一般教養、医学的知識、倫理観、医療的スキルは膨大です。学生時代から自ら「地域で学ぶ」ことに重点を置き、「地域医療マインド」を持つ優れた医師の育成につながるよう、群馬県地域医療支援センターでは、専任医師2名が地域医療枠学生及び卒業生の支援にあたっています。入学当初より、定期的な面談や説明会を実施し、健康面や学業面での不安がないかどうか、できるだけ医学生が相談しやすい環境づくりに努めています。
医学生も高学年になるといよいよ、研修先や将来の診療科選択が具体的となり、また、結婚や出産などライフ・ワーク・バランスに関する悩みも多くなってきます。群馬県地域医療支援センターでは医学部卒業後の10年間のキャリアアッププランを具体的に提示した「ぐんま地域医療リーダー養成キャリアパス」を活用し、若手医師一人ひとりが希望する専門分野・領域の専門医やサブスペシャルティ領域の専門医資格、さらには学位取得についての相談の窓口となっています。 医師10年目となった1期生を筆頭に、専門医、専攻医、研修医として100名を超える地域医療枠卒業生が、若手医師として県内の地域医療に貢献しています。県内の医療機関の指導医や医療スタッフにご協力いただきながら、「オールぐんま」で地域に根ざす優れた若手医師の育成を目指してまいります。皆様の引き続きのご支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。