新内科専門医制度を経験して
池田史子先生からバトンを引き継ぎました山口と申します。内科専攻医3年目という若輩者でありますが、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。私は日高会の腎臓内科に所属し、日々先生方にご指導いただきながら業務をなんとかこなしております。
先月まで内科専門医受験資格を獲得するために、レポートをひたすら書いておりました。無事に外部査読も終了し、来年の試験に向けて勉強を始めようとしているところです。
2018年度から新専門医制度になり、内科志望者が減少したことは皆様もご存知だと思います。受験資格を得るためのレポート数が多いことが大きな要因だと私は考えています。300字程度の症例登録が160個、A4用紙2枚程度の症例要約29個(外部査読あり)と、かなりレポート量が多いと感じています。専攻医になって2年半かけて計画的に症例を登録しないといけないのですが、最初の1年は自分の日々の業務をこなすのに精一杯でレポートまで手が回りませんでした。やっと業務に慣れ、2年目からコツコツと登録しましたが、内科専門医プログラムのルールで外部病院研修を行わなくてはならないため、新しい病院で再度業務に慣れるのに時間がかかり、症例登録がなかなか進みませんでした。3年目になって毎日のように指導医の先生にレポートを提出しておりました。レポートを提出し終えた今、振り返りますと、登録した症例はそれぞれ勉強になり、内科の中の他科疾患を学ぶ大事な機会でした。しかし、循環器内科や消化器内科など内科の中でも忙しい科の先生にはかなり大きな負担になっていると考えます。研修医の先生の中には新専門医制度で内科専門医取得が大変になったと噂を聞いて、志望科の候補から内科を除外する人も少なくありません。
日々の業務とレポートのバランスが今後の課題になるのではないかと勝手に考えています。内科専門医取得後はサブスペシャリティ専門医試験が待ち構えております。腎臓内科専門医に必要な症例も以前と比較すると、大変になったと聞いて今から戦々恐々としています。女性の場合は、男性医師と比較して、出産や育児などライフイベントがどうしても多くなり、自分のキャリアプランとライフイベントをすり合わせていかなくてはなりません。先生方はそういうイベントを乗り越え、日々家庭と仕事を両立されていて尊敬の念を禁じ得ません。今後、仕事でご一緒させていただく機会がございましたら、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。