群馬県女医会

 第1回「コラム ミネルヴァ」に群馬県女医会を紹介いたします。この会の初代会長 真中すず先生は、群馬県の女性医師第1号でした。医術開業試験を目指し、東京の済生学舎に学び明治38年に合格し、前橋市で産婦人科を開業しました。日本初の女性医師、荻野吟子さんより20年後のことです。すず先生は、医療だけでなく、社会福祉活動にも大変貢献されました。県内の女性医師数は昭和初期に50名を数え、第二次世界大戦中には、医師不足が深刻となり女性医師養成のための医学校が増設されたことにより女性医師数も飛躍的に伸びていきました。そんな中、GHQによる女性の地位向上の改革に後押しされ、昭和22年に群馬県女医会が結成されます。会長の真中すず先生のもと、90名が集まりました。それ以来、この会の目的は、会員相互の親睦を深めると共に、学術の向上を図り地域医療に貢献することであります。活動内容は時代により変遷していますが、定期的に集まり出身大学や専門科を超え、親睦を深めています。また医業に携わる者としての悩みや日常の工夫などを語り合い、さまざまな情報交換の場となっています。地域医療の一環として一般市民への医療情報発信となるようなトピックな講師を招き講演会を開催しています。現在、日本の女性医師の割合は20%を超えていますが、未だ女性医師のライフステージに合わせた労働環境が整っていません。これからの課題として、出産育児でキャリアを中断されないような環境やサポート体制、出産育児からの復帰プログラムの構築などを実現させ、女性医師が伸び伸びと輝ける時代を築いていくことが群馬県女医会の使命と考えています。

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